例会報告
田宮 緑子女史

【第576回11月大会】

 
日 時 : 平成17年11月7日(月)
場 所 : 京都全日空ホテル
講 師 : 田宮 緑子女史(英国生活文化研究家・英国紅茶ティーインストラクター)
テーマ : 「秋に英国の香りと紅茶を楽しむ」















第576回11月大会は前経済人クラブMC担当で、英国生活文化研究家・英国紅茶ティーインストラクターの田宮緑子女史を迎え京都全日空ホテルで開催されました。

<講師講演>

■イントロダクション
本日は講演者としてお呼び頂いて、皆さんと再会できて嬉しく思うと共に、久々の里帰りのような気持ちで少し緊張しています。今回はオフ会のような軽い気分で紅茶を楽しんで頂ければと思います。さて、皆さんはティーパックで紅茶を飲まれる時は、一袋で何杯出されますか。大阪でこの質問をすると5杯以上出されるという方も結構いるんですよ。地域性が出ていますよね。しかし、ティーパックで楽しめる美味しい紅茶は1杯目までです。ティーパックをスプーンで搾る方もいらっしゃいますが、そうすると渋みが出てしまいますので、そのまま搾らずにのけてくださいね。

■紅茶のいろは
それでは、少し紅茶の知識についてご紹介します。
紅茶・緑茶・ウーロン茶。これらは同じ種類の樹の葉が原料です。なぜ、それぞれが違うお茶になるかと言うと、製法が違うからなのです。緑茶は茶葉を発酵させないのに比べウーロン茶は半発酵、紅茶は完全に発酵させて作っているんですよ。では、これから紅茶を始めようという方はどのような茶葉を選んだら良いでしょうか。ご存知の通り、香りをつけたフレーバードティーやハーブティー、ブレンドティーなど紅茶といっても色んな種類があります。そこでお勧めしたいのは、まず産地紅茶の味を知ることです。ブレンドティーを例に取ると、複数の産地紅茶がブレンドされる訳ですから、まずは本来の産地紅茶の味を知る事で自分の好きな茶葉を見つける目安をつけやすくなるからです。産地紅茶、本来の味を知って頂く事が、自分の好みの紅茶に出会う近道になると思います。

■実習
〜英国式ゴールデンルールによる美味しい紅茶の入れ方〜

1. ティーポットを用意する
  ティーポットやティーカップをお湯で温めます。
2. 茶葉の分量をティースプーンで計ります
  ティーカップ1杯分の標準量がティースプーンで1杯と考えてください。
  【ブロークングレード(小さい茶葉)】
…ティースプーンで中山1杯(2.5〜3g)
【リーフグレード(大きい茶葉)】
…ティースプーンで大山1杯(3g以上)
3. 100℃の熱湯を準備します
  汲みたての新鮮な水を沸かし、沸騰直後の熱湯を使います(1杯あたりのお湯に標準量・・・約150−160ml)。
お湯を注ぐときの注意:やかんをポットへ持っていくのではなく、ポットをやかんの方へ持っていきます。
4. タイマーや砂時計で時間を計り、茶葉をじっくりと蒸らします(ジャンピングが美味しい紅茶の秘訣です)
  【ブロークングレード】……2.5〜3分
【リーフグレード】……3〜4分
ゴールデンドロップ(ベストドロップ)は最後の一滴まで注いでください。


■おわりに
京都では緑茶の文化が伝統として根付いている事もあり、なかなか紅茶を飲む機会は少ないかもしれません。とはいえ、最近では京都市内にも紅茶の専門店が少しずつ増えてきていると聞きます。ポットやカップなど紅茶の道具も最初は急須やコーヒーカップで代用してもらう事もできます。まずは試して頂いて、その中から自分に合う茶器や飲み方を見つけて下さればと思います。本日は、皆さんお越し頂いて本当にありがとうございました。秋の紅茶を楽しみましょう。

 レポート:同志社大学4回生
                                   栗栖 智宏