例会報告
畑山 博氏

第610回定例会

日 時 : 平成22年11月29日(月)
場 所 : 京都全日空ホテル
講 師 : 畑山 博氏 (足立病院・院長)
テーマ : 「いつまでも生き生きと健康に暮らせるために〜アンチエイジングの心得〜」


■動物としての人間

「ゴリラやライオンは交尾が終わると、子どもを殺すんです」

女性が一生付き合える病院として名高く、京都で独特な存在感で、圧倒的な支持を集める足立病院。今日のテーマが「いつまでも生き生きと健康に暮らせるために〜アンチエイジングの心得〜」ということだけに、健康の話が聞けると思ったら、講師の畑山院長は冒頭からよい意味でどんどんとその期待を裏切っていく。
出てくるのはひたすら動物、動物、動物の写真。それも生々しい生と死、そして、性をめぐる解説付きスライドショーである。

「カマキリは交尾が終わると、オスを食べて栄養にします」

今日のお医者さんは獣医だったかな?と勘違いしそうなくらい、延々と動物の話が続く。
しかし、終わってみれば、この動物話は非常に意味が深く、必要な前ふりであった。というのも、畑山院長の話で一貫しているメッセージがそこには脈々と隠されていたからである。結論から言おう。それは、

「人間は動物でありながら、普通の自然界の動物とは違う特殊な動物である」

ということである。このような言葉を実際に畑山院長は口には出していない。しかし、伝えたいメッセージは、おそらくこういうことであったに違いないと筆者は感じた。



■男性の更年期

「男性にも更年期があると思います?」

後半に入りまた意表をついて裏切られる。それは今日のテーマは、素直に考えれば女性の話がメインとなると思わせておいて、「更年期→男性」と持っていくのである。少し脱線するが、このようなアプローチは相当講演に慣れていないと使えない技である。というのも、柔道や剣道、茶道や華道など、日本の伝統の中で「道」が付くものには大抵当てはまる「守・破・離」の法則というのがあるが、この法則から言えば、まさに畑山院長のお話は「破から離」の段階にあるのだ。

すなわち、まずは師匠の言うことをただ守り型を覚え(守)、慣れてきたら次に少し型を変えてみる(破)、そして、その試行錯誤の中から最後は自分オリジナルの型を探る(離)という、ステップでいえば、もはや最終章の段にあるということ。したがって、どんどん想定外”のことが出てくるので、聞いている方はまるでジェットコースターに乗っているがごとくのスリリングな感覚に陥るのである。

話をもとに戻そう。先ほどの問いかけへの答えは「 YES 」、ということらしい。ただし、正確に言うとバラバラ、すなわち、更年期がある人もいれば、ない人もいるということであった。そして、早い人で 40 代から男性ホルモンである「テストステロン」が減少し、不眠や不安・頭痛・うつ・性欲の低下といった症状が出るとのことである。

「更年期を発症しやすい人は、2代目社長が多いという統計があるのをご存じですか?」
「一方で、自衛官、体育教師、建築業などの職業の人は更年期になりにくいんです」

ここで会場は大爆笑。それもそのはず。このような問いかけこそがまさに、注目を集める病院の理由の一つであり、畑山院長が普通のお医者さんではない「空気の読める」お医者さんである証左であるからである。



■更年期にならない方法伝授します

「それでは怖い話はこれくらいにして、最後に特別に更年期にならない方法を伝授します」

ここまで来ると、お見それしました!の一言。これだけ怖い話をされたら、誰もがもう藁をもすがる思いで聞いてしまうだろう。という訳で、ここまでレポートを読んでくださった皆様へのお礼もこめて、ここにその秘訣を再録しておく。

 嵶」
ホルモンの分泌のためには、何といっても新しい出会いが効くとか。しかし、それは何も異性への「恋」だけではなく、仕事に「恋」でもよいというのがミソらしい。キーワードは、ドキドキ・ワクワク。

 ◆崘中」
「恋」に近いところもあるが、自分の好きなことや趣味に「熱中」できるものを持つことが大事とのこと。村上春樹の小説など、とにかく寝食を忘れるくらいのもの、命令されなくとも 46 時中思わず取り組んでしまうものが◎とか。ただし、ゲームは意外と効果が薄いらしい。

「運動」
やっぱりゴルフは◎のよう。ただし、ゴルフにはテマ・ヒマ、そしてカネがかかるのがネック。。そこで畑山院長のお勧めは「マラソン」と「腕立て伏せ」(笑)。これなら私でもできそう(笑)。

ぁ峇尭亜
映画やドラマなどが花◎。何より大脳辺縁系を刺激し、効果てき面とか。なるほど、かつての韓流ブームには健康にもよかったのか(笑)。

ァ峩惘譟
1992 年にデンマークのスカケベック氏がタバコには環境ホルモン(ダイオキシン)が含まれることを発見し、英国BBCで放映され話題になったとか。最近はもっぱらモクハラ(スモークハラスメント)や税金以外の文脈で語られがちな禁煙だが、やはり健康面からの効果が一番のようだ。

以上である。ちなみに上記はいずれも、男性ホルモンについてだが、女性ホルモンにも共通する話が多いことは言わずもがなである。そして、あえて付け加えれば、「食事」。とくに和食や大豆イソフラボンが良いというアドバイスもあったことも付言しておきたい。

いずれにせよ、今日は顔面蒼白になったり、抱腹絶倒したり、背筋が伸びたり、全身全霊で楽しませていただいた。「博」識なドクターである畑山博院長にただただ感謝である。


(参考)足立病院オフィシャルサイト:http://www.adachi-hospital.com/



≪文責:すぎおか ひでのり≫